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!御注意下さい!
【八王子の方言(八王子弁)】と名を付けてはいるものの、八王子の一集落で生まれ育った人間の内の「ひとり」である祖母の口癖を集めただけですので、すべてが『八王子全土で使われている方言』と言える根拠は全く御座いません。『方言でも何でもない、祖母の造語』が混ざっている可能性も捨てきれませんので、その点ご了承の上お付き合いください。また、言語に関する専門知識が皆無の人間によって纏められた為、勘違いや思い違いが有る可能性が大いに御座います。つまり、八王子中を調査した訳でも無く、素人が趣味の一環で制作した物ですので、【八王子の方言(八王子弁)】として学術的に御利用頂くのは絶対にお止め下さい。ただし、八王子の一地域の方言を話す一個人の資料として御参考頂く分には一向に構いません。お役に立てます様でしたら、どうぞ御自由に御活用くださいませ。(引用される場合など、事前に御連絡を頂く等のお気遣いは不要です。)
※2011年6月12日追記:
祖母への調査を開始した所、「おじいさんが良く使って言っていた」「近所の人が使って話していたのを聞いた事がある」と祖母が証言する、【祖母の人生の中では使われて来なかった八王子弁】が多数出て来ました。“祖母の口癖を集めた”との文句を前提にした当資料ですが、しかし、八王子から一度も離れずに住み続けて来た祖母の記憶に残っている時点で、それらも「八王子弁」であると見なし同等の扱いで区別せずに掲載して参ります。祖母が生まれた1920年代以前の村民が使っていた「八王子の方言」を御紹介している部分も有ると言う事で、ぜひ、お楽しみ頂ければ幸いです。








八王子の方言

〜祖母(大正生まれ)の話し言葉〜
助動詞


以下にご紹介する八王子弁の説明に、≪高いアクセントを付けて発音≫と言う言葉が
度々登場します。分かりやすく御説明しますと、刑事に、「私はやってないよお
と訴えている状態の語尾の音程に近いです。ご利用の際はぜひお試し下さい。



*助動詞に現れる八王子弁





「形容詞+かんべ(え)」=「〜かん+べ(え)」
=「〜かろ+う」(形容詞の未然形「かろ」+【推量】の助動詞「う」)
=「〜かろう」
 
★「踊りが美しかろう?」「むしろ可笑しかろう」などの、「〜かろう」の意味。
★標準語とほぼ同じイントネーションの用法で発音します。
「かんべ(え)」の後ろに「よ(う)」「な(あ)」を付ける事ができます。
 

使用例:「これで 良かんべ?(良かろう?) こまっけえ(細かい)のは きれえだ(嫌いだ)
    /「うらっかた(裏の方)の 部屋は 涼し
かんべえ? あっちで 寝るだ(寝るのだっ)
    /「その煎餅 軽
かんべえ(軽かろう) 歯が なくっても(無くても) 食えらあ(食べられるわ)
    /「送迎会ん時の(送迎会の時の) 写真だんべ(写真だろう)
        10年前っちゅうと
(10年前と言うと) みんな まだ 若
かんべえ(若かろうな)
    /「さっき 叱ってやったあから(叱ってやったから) おとなし
かんべえ(大人しかろう)
          は〜あ 静かんなって
(静かになって) 清々した たまには いい薬だあ(良い薬だ)
    /「まあだ(まだ) あつかんべ?(熱かろう?)
        火傷すっから
(火傷するから) 気い付けて(気を付けて) 飲まねえとな(飲まないとね)
    /「粉が 足りなくってよ(足りなくてさ) こいじゃあ(これでは) ゆる
かんべえ(緩かろう)






「動詞・形容詞・助動詞の連体形+だ(あ)」
=「〜のだっ!」(聞き手に構わず自身に言い聞かせるが如く、一寸の迷いも無く独断する)
 
標準語の「踊るのだ」「鬱陶しいのだ」などの「〜のだ」(準体助詞「の」+助動詞「だ」)に近いのですが、「の」が抜けている分、微妙にニュアンスが違います(「〜のだ」と表現する時には「踊るだあ」「鬱陶しいだあ」と言います…「踊るだ(あ)」「鬱陶しいだ(あ)」では無く)。ピッタリと相当する標準語が見当たらず、『形容動詞の終止形』と同等と言うか…、助動詞「だ」の意味である【断定】の含みを前面に強く出す感じです。
後ろに
「〜で(え)」「〜よ(う)」「〜な(あ)」を付けて言う事もします。
 

使用例:「長居 させてもらったあよう(させて貰ったよ) そろそろ 行く(行くのだっ)
    /「さてと、 座りっぱなしで 足が なまっちまうから(鈍ってしまうから) 歩く(歩くのだっ)
    /おめえが(あなたが) 入れてくれたあ(入れてくれた)
             このコーヒーは 偉く 苦い
だあなあ(苦い!のだなあ!)
    /「お父さん おけえり(お帰り) ご飯にすっか?(お食事にしますか?)
                   「うーん、 風呂 入ってから食う
(お風呂に入ってから食べます)
    /「ヒヨドリが 柿を みんな 食っちまった
だあよう(食っちまった!のだよ!) 憎らしいよ!」
    /「美味い 柿 食って(食べて) 満足したあから(満足したから) もう 寝る
だあ(寝るぞっ)
    /「筆で 書かなきゃあいけねえんだとよ(書かなければいけないのだとさ)
                           お袋に 書かせる
(書かせてしまおうっ)
    /「訳を 教えて貰えるんなら(教えて貰えるなら) 俺も 知りてえ(知りたい知りたいっ)
    /「こりゃあ(これは) 薄くっていいや(薄くていいわ)
           これなら 夏でも 着れる
だあ(着回しの効く服だなっ)
    /「鍵 掛かってんのかな(鍵が掛かっているのかな)
        開かねえ
(どうやっても開かないのだっ) こんちきしょう(根畜生)






「〜だあ」=「〜だ

「自慢の踊り」「興味は無いの」などの、「〜だ」の意味。標準語と使い方は同じです。
後ろに
「〜で(え)」「〜よ(う)」「〜な(あ)」を付けることが多いです。
 

使用例:「わりいけんど(悪いけれど) 8時っから(8時から) お客が 来るんだあよう(来るのだよ)
    /「だってよ(だってさ) 悔しいじゃんか(悔しいではないか)
       ジーンズを 勝手に 洗濯 しちまったん
だあでえ(してしまったのだぜ) お袋のやつ!」
    /「今晩は 寿司
だあ(寿司だ)
    「もう一枚 あにっか(何か) 羽織れば ぬくいん(温いの)だあ(だな)
    /「ありゃあ(あれは) あたしの(私の) ひ孫
だあよう(孫だよ)
        美人だんべ
(美人だろう) あたしに(私に) 良く 似てらあ(似ているわ)
    /「よう(ねえ) おめえも(あなたも) 試してみな こりゃ(これは)
だあ(楽だぜ)






「〜だんべ(え)」=「〜だん+べ(え)」
=「〜だろ+う」(【断定】の助動詞「だ」の未然形+【推量】の助動詞「う」)
=「〜だろう」

「良い踊りだろう?」「失敗しただろう」などの、「〜だろう」の意味。
標準語とほぼ同じイントネーションの用法で発音します。
「だんべ(え)」の後ろに「よ(う)」「な(あ)」を付ける事ができます。
★「〜だろう」を意味する八王子弁は他に動詞(五段活用以外)の未然形+べえ」「動詞の連体形+〜べ(え)があります。

 

使用例:「天井裏を 走ってんのは(走っているのは) 多分 ネズミだんべ(ネズミだろうな)
    /「先生が 病気したって(病気をしたと) 聞いたあで(聞いたぜ)
             「ほいじゃあ
(それでは) 当分は 休診
だんべえ(休診だろう?)
    /「あの おじいさん 年寄り扱いするな!って 怒ってたあけんど(怒っていたけれど)
                       
その内 疲れて ぜってえ(絶対) 座る
だんべ(座るだろう)
    /「たぶん 努力と 勇気が ありゃあ(有れば) 飛べる
だんべえ(飛べるだろう)
    /「沖縄に 行ったっちゅうと(行ったというと) 海で 泳いだん
だんべえ(泳いだのだろう?)
    /「笑ってらあ(笑っているわ) いい物 食ったん
だんべえ(食ったのだろう)
    /「落書きが いっぱい してあらあな(して有るわな)
               閉じ込められて 相当 暇だったん
だんべ(暇だったのだろう)
    /「おめえの(お前の) 力量じゃあ(力量では)
          今 抱えてる 仕事だけで
いっぱいいっぱい
だんべ(一杯一杯だろう)
    /「やったあ(やった) 仕事を 見りゃあ(見れば) 分からあ(分かるわ)
                      お宅の旦那さんは 相当 まめ
だんべえ(忠実だろう)
    /「採っちゃあいけねえよ(採ってはいけないよ) まだ 青い
だんべ(青いだろう)
    /「子供が 騒がしい
だんべ(騒がしいだろう?)
         友達 呼んで パーティーを やってんだあよ
(やっているのだよ)
    /「ねえ
だんべ(無いだろう?) あたしも(私も) さんざっぱら(散々)
        探したんだけんど
(探したのけれど) めっからねえんだあよ(見つからないのだよ)

    /「小火が 燃え広がったんだと?(燃え広がったのだと?)
         あの 強風じゃあ
(強風では) たちまち
だんべえ(忽ちだろう?)
    /「その前は 何時 来たっけか(来たっけ?) 随分 しばらく
だんべ(暫くだろう)
    /「それから
だんべ(それからだろう?) おばさんの様子が おかしくなったのは」
    /「また
だんべえ(まだだろう) いいよ 放っときゃあ(放っておけば) 治まるよ」






「〜てえ」=「〜たい」(希望)

「もっと踊りたい」「叱られたいのか?」などの、「〜たい」の意味。
 

使用例:「くれるんなら(くれるのなら) 貰いてえ(貰いたい)
    /「薬局に 寄りてえから(寄りたいから) あるってくだ(歩いて行くのだっ)
    /
「赤飯でも 炊きてえ(炊きたいな) ほいから(それから) 金平も 作りてえ(作りたいな)






「〜ねえ」=「〜ない」(打消・否定)

「踊らない」「別に勧めない」などの、「〜ない」の意味。
 

使用例:知らねえ(知らないよ) 知らねえ(知らない)
    /「あいつだけは 呼べ
ねえ(呼べないな)
    /「ちっとも 取れ
ねえだあよう(取れないのだよ)
    /「大して うまか
ねえ(旨くはないや)






「動詞(五段活用以外)の未然形+べえ」=「〜し+べえ」
=「〜し+よう」(動詞(五段活用以外)の未然形+【推量】の助動詞「よう」)

=「〜しよう」=「〜だろう」

★「彼は自分の踊りを世界に広めよう」「誰もが彼の踊りを忘れよう」などの、【推量】「〜だろう」の意味。標準語の助動詞「よう」と同じ用法で使われます。
★「未然形」では無く「連体形」に「べえ」と繋げて表現する八王子弁が別にあります。→動詞の連体形+〜べ(え)
★標準語とほぼ同じイントネーションの用法で発音します。
「べ(え)」の後ろに「よ(う)」「な(あ)」を付ける事ができます。
★「〜だろう」を意味する八王子弁は他に〜だんべ(え)動詞の連体形+〜べ(え)があります。
 

使用例:「寒くなれば 着べえ(着よう/着るだろう)
    /「おめえんとこじゃあ(あなたの家では)
        ニンジンも 一緒に 煮
べえ?(煮よう?/煮るだろう?)
    /「子供が 片付け
べえ(片付けよう/片付けるだろう)
    /「朝一で 行きゃあ(行けば) 見られ
べえ(見られよう/見られるだろう)
    /「これだけ 言えば 諦め
べえ(諦めようよ/諦めるだろうよ)
    /「臭いを 嗅がせりゃあ(嗅がせれば) 起きべえ(起きようよ/起きるだろうよ)
    /「上まで 上がったら 下り
べえ(下りよう/下りるだろう)
    /「今から 出りゃあ(出れば) 暗くなる 前までには 帰れ
べえ(帰れよう/帰れるだろう)
    /「昼までは そこに 居べえ?(居よう?/居るだろう?)
    /「お宅だって 7時には お夕飯に す
べえ?(するだろう?)
    /「歩きたかねえって(歩きたくはないって)
        あの調子じゃあ
ハイヤーでも 停め
べえ(止めような/止めるだろうな)
    /「怪しい人が くりゃあ(来れば) 吠えべえ(吠えよう/吠えるだろう)
    /「嬉しがって 向こうから 貰いにべえ(来よう/来るだろう)
    /「植えるとこがねえって(植える所が無いって) 言ってたあから(言っていたから)
                         畑の隅にでも 植え
べえ(植えよう/植えるだろう)
    /「あの人の事だあから(あの人の事だから)
          まずは 頭に 乗せてみ
べえ(乗せてみよう/乗せてみるだろう)






「動詞の連体形+べ(え)」=「〜する+べ(え)」
=「〜し+よう」(五段活用の未然形+【意志】【推量】の助動詞「う」)
         (五段活用以外の未然形+【意志】【推量】の助動詞「よう」)
=「〜しよう」「〜だろう」

★「踊ろう」「踊りを止めさせよう」などの、「〜しよう」の意味(推量「〜だろう」の意味も表現できる)。
★標準語の場合、助動詞「う」「よう」が続く未然形の動詞・助動詞を前に置いて使いますが、八王子弁では全ての動詞・助動詞で連体形を前に置きます(よって、八王子弁が素直に訳せない場合があります)。
※標準語と同じように、未然形を前に置いて「べえ」と繋げ表現する八王子弁が別に有ります。→動詞(五段活用以外)の未然形+べえ
★イントネーションは単調か、またはアクセントを
「べ」に高く取って発音し、下がり調子で発音する表現はしません。
「べ(え)」の後ろに「よ(う)」「な(あ)」を付ける事ができます。
★「〜だろう」を意味する八王子弁は他に〜だんべ(え)動詞(五段活用以外)の未然形+べえがあります。
 

使用例:「皆で ここに 座ん(座ろう「疲れたら 座ん(座るだろう
    /「ほいじゃあ(それでは) 食うべえ(食べよう
    /「おいときゃあ(置いておけば) 食う
べえ?(食べるだろう?)
    /「お客が けえったから(帰ってから) 片付けん
(片付けよう
    /「注意すりゃあ(注意すれば) 片付けん(片付けるだろう
    /「長居しちまった(長居してしまった) そろそろ けえる
(帰ろう
    /「お母さんが 迎えに 来りゃあ(来れば) けえる
べえ(帰るだろう
    /「バスが 行っちまうから(行ってしまうから) 急ぐ
べえ(急ごうよ)
    /「ベルが 鳴り出せば 急ぐべえ(急ぐだろうよ)

    /「犬に 餌を くれてやん
べえ(あげてやろう
    /「お父さんが 餌を くれてやんべえ(あげてやるだろう
    /「お夕飯に すん
べえ(しよう
    /「必要になったら すんべえ(するだろう
    /「ハイヤーでも呼ぶ
べえ(呼ぼうよ)
    /「知り合いだったら 苗字じゃあなくって(苗字では無くて)
                        名前を 呼ぶ
べえ(呼ぶだろうよ)

    /「その犬は 吠えるべえ?(吠えよう?/吠えるだろう?)
    /「おまわりが(お巡りさんが) こけえら(ここいら)に 居んべえ?(居よう?/居るだろう?)
    /「やっと 借りられたあでえ(借りられたぜ) 今日中に 観んべえ(観よう
    /「コメディーなら 観んべえ?(観るだろう?)
    /「あにが(何が) 出てくっか(出て来るか) 楽しみだあ(楽しみだ)
                            早速 植えてみん
べえ(植えてみよう
    /「おめえも(お前も) 食ってみんべえ?(食ってみるだろう?)






「〜めえ」=「〜まい」(打消の推量・意思)

「もう踊るまい」「冗談じゃあるまい?」などの、「〜まい」の意味。
 

使用例:「どうせ きやしめえ(こやしめえ(来はしまい)
    /
「その やり方じゃあ(やり方では) 何時まで経っても 片付きゃあしめえ(片付きはしまい)
    /「一人でなんか 行きゃあしめえ?(行きはしまい?)
            危ねえから
(危ないから) 男を一人 連れてけ(連れていけ)
    /「大丈夫だよ 痛くなんか ありゃあしめえ(有りはしまいよ)
    /「そんな ハイカラな物 うちには 有りゃしめえ(有りはしまい)
    /「食ったら(食べたら) 腹が いてえんだけんど(痛いのだけれど)
                       まさか 腐っちゃい
めえ?
(腐ってはいまい?)
    /
「ほいじゃあ(それでは) 謝りに 行ってくっかな(行ってこようかな)
                       大して 怒っちゃい
めえ?
(怒ってはいまい?)
    /「お父さんは 大して ハゲちゃいめえ?(禿げてはいまい?) うん 禿げてねえ 禿げてねえ」
    /「おめえ(お前) 無くしちゃあ(無くしては)めえよな(いないよね)
    /「奥には あんめえ?(有るまい?) 手前っかた(手前の方)
         置いといたはずなんだけんどなあ
(置いておいたはずなのだけれどな)
    /「そんなあ(そんな) 昔の物 蔵ん中(蔵の中)にだって 有るめえ(有るまいよ)
    /「盗まれたんじゃあ(盗まれたのでは) あんめえ?(あるまい?)






「過去・完了の動詞+んべ(え)」=「〜た+ん+べ(え)」「〜だ+ん+べ(え)」
=「〜たろ+う」「〜だろ+う」(【過去・完了】の助動詞「た(だ)」の未然形+【推量】の助動詞「う」)
=「〜たろう」「〜だろう」

★「踊りきったろう?」「転んだろう」などの、過去・完了の動詞に繋がる「〜たろう」「〜だろう」の意味。
★標準語とほぼ同じイントネーションの用法で発音します。
「〜んべ(え)」の後ろに「よ(う)」「な(あ)」を付ける事ができます。
 
使用例:「もう 行っちまったんべ(行ってしまったろう) ゆっくりして 行きゃあ(行けば) いいのにな」
    /「うめえとって(美味いと言って) 全部
飲んだんべ(飲んだろう)
    /「風が
強かったんべ?(強かったろう?) 髪が ボサボサだあでえ(ボサボサだよ)
    /「おめえ(お前) 砂糖を いっぺえ(いっぱい) 入れて
煮たんべ(煮たろう)
                         こりゃ(これは) 甘すぎて 食えねえ(食べられない)
    /「夜が 明けたんべ(明けたろう) さあ 出掛けるだ(出掛けるのだっ)
    /「デパートに行ったの? 旨そうなもんが(美味しそうな物が)
              いっぺえ(いっぱい)
売ってたんべえ(売っていたろう)
    /「一人で 暇だったんべ(暇だったろう) 待たせて 悪かったよ」
    /「おめえだって(あなただって) 子供の頃は 裏山で
遊んだんべ?(遊んだろう?)
    /転んだんべ(転んだろう)
         コブとアザと傷が 出来てっから(出来ているから) 隠しても 分かるよ」




【余談1】

「〜べ(え)」の後に「〜よ(う)」「〜な(あ)」が付く時は、アクセントの「べ(え)」を控え目な高さで発音し、「よ(う)」「な(あ)」をそれ以上の高さで発音します。八王子弁は文末を高く発音するのが特徴です。

【余談2】

神奈川弁などで使われる「〜だべ(え)」「〜たべ(え)」という言い方を八王子弁ではしません。神奈川弁で「犬だべ(え)」「困ったべ(え)」を、八王子弁では「犬だんべ(え)」「困ったんべ(え)」と言います。

【余談3】

八王子弁の中には、助動詞「べ(え)」とは別に、助詞「〜ばかり〜」の意味で「〜べえ〜」があります。助動詞と助詞の「べえ」両方を一つの文章に使うと次のようになります。「犬が吠えてべえいるべえ?」(犬が吠えてばかりいるだろう?)「ちいっとべえ貰うべえ」(少しくらい貰おう)。べえべえべえべえ、牛みたい。

【余談4】

過去形で「〜だ」になる動詞の後ろに、「〜だんべ(え)」を付けると、「飛んだんだんべえ」(飛んだのだろう)「転んだんだんべえ」(転んだのだろう)「舌を噛んだんだんべえ」(舌を噛んだのだろう)となります。だんだんだんだん。

【余談5】

助詞の〜べえ〜(〜ばかり〜)を、動詞の連用形+助詞「〜で」に繋げると、「踏んでべえ」(踏んでばかり)「読んでべえ」(読んでばかり)となりますが、「で」の後ろに「ん」(「いる」の俗言)を入れると「踏んでんべえ」(踏んでいるだろう)「読んでんべえ」(読んでいるだろう)と、助動詞〜べえの意味になります。一字違いで混同しそうですが実際は、助詞「べえ」の後ろには必ず動詞を含んだ文が繋がりますし(「踏んでべえいる」)、逆に助動詞「〜べえ」の方は「〜べえ」で言い切りますので(終助詞の「よ(う)」「な(あ)」が付く事はあります。「踏んでんべえ(よ)」)、区別は簡単です。イントネーションの違いも明らかですので、聴き分けも容易です。


 

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